第83話
一体何だった?!パリ祭

7月13日(火)。ラ・ロシェルで夏期講座を受講しているポン子が明日のパリ祭に合わせてパリにやって来た。夕飯に韓国料理屋に行ったが、味はイマイチで量が少なくがっかり。その後知り合いのバーに飲みに行き、夜も遅く帰って来たが、飲み足りず、ノルウェー館の近くでバーを探したがなかなか見付からず、しょぼいバーに仕方なく入ったら、これが妙に落ち着く雰囲気で、僕たちはマルセイユに引き続き“おやじバー”と命名し、お気に入り店になった。

7月14日(水)。あっけなく寝坊。シャンゼリゼ通りで行われる「行進」を観に行けず。それでもシラク大統領の演説は聞けるかもと、いそいそと出かけたが、それも逃す。一旦、寮に戻り、夜の花火に期待したにも関わらず、これまた遅刻。というのも、地下鉄に乗っていたら、いきなり停車。そして「ドンッ!」という激しい音。向かいに座っていたフランス人が体ごとビビっていたが、それは花火の音だった。乗車客が一斉に立ち上がり、窓の外を興奮しながら食い入るように見つめていた。僕とポン子は、「たかが花火なのに、フランス人ったら可愛い!」と興奮し、花火ではなく、花火を見て大喜びしているフランス人たちの姿を写真に収める始末。やっと電車が動いて、目的地まで辿り着き、これでようやく生の花火が観られると思ったのだが・・・イヤな予感的中。既に花火は終わっていた。結局、僕たちはエッフェル塔近辺で、人ごみを見るだけに留まってしまったのだった。愚かな2人。しかも、わざわざこの日の為にパリまでやって来たポン子・・・。

物凄い人ごみの中、なんとブザンソンで一緒だった香港人とバッタリ再会してビックリしたのなんのって!

うなだれて寮に戻り、昨夜見つけた“おやじバー”で気を取り直す。

7月21日(水)。毎日真面目に授業には出ているものの、あまりにも退屈で、いい加減ウンザリしてきた。明日からはアサミヤがパリにやって来るし、「もう絶対授業にはマジメに出ない」と決意する。

明日からアサミヤがパリに数日間の予定でやって来る。夕方、その確認の電話をしている最中、ふと明日はアサミヤの誕生日だと思い出し、ラデュレのマカロンを買いに行くことを思い付いた。思わず、アサミヤに「ラデュレってまだ開いてるかなぁ?」などと確認し、大急ぎでマドレーヌ寺院前にあるラデュレまで行き、無事マカロンを購入。

7月22日(木)。アサミヤがやって来た。夕方、はるをと合流し、3人でラオス料理を食べに行く。はるをは、アサミヤへの誕生日プレゼントに、奇妙なニワトリの人形を買って来ていた。名前は「るおは」だそうな。明日はアサミヤとサン・マロに日帰り旅行をすることになっているので、食事の後、駅に行って切符を買った。その帰り、自動販売機でお菓子を買おうとお金を入れたのにも関わらず、うまくお菓子が下りて来ず(途中で引っ掛かってしまっていた)、大激怒で駅を後にした。

7月23日(金)。アサミヤとサン・マロへ。7時10分のTGVに乗らないといけないのに、なんと6時過ぎに起きてしまい、駅まで走った走った・・・。
※サン・マロ日帰り旅行に関する詳細は、エッセイ「「母をたずねて三千里」をたずねて…10年越しの想い」をお読み下さい。(全4話)

第84話につづく

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