第80話 イタリアへ |
家族を見送った翌日、僕はブザンソンに戻った。来週からはアサミヤとムーコとでイタリアに行くことになっているので、しばらくアサミヤ宅に居候。 6月12日(土)。アサミヤ、ムーコ、Tさんとで、G市との交流会でお世話になったモントノワの村長さん宅に遊びに行く。お宅には、死ぬ程可愛いフラッシュという犬がいる。僕はもうメロメロで参ってしまった。 ※詳細はエッセイ「名犬フラッシュ、ひと夏の出会い・・・そして、涙」をお読み下さい。 6月13日(日)。今日からいよいよイタリア旅行。元々、はるをとイタリアへ行こうと計画しており、その計画にアサミヤ、ムーコ、花子、Tさんが乗ってきたのだが、まず、はるをが「お金の遣い過ぎ」で行けなくなり、続いて花子もTさんも予定が合わずキャンセルで、最終的に僕とアサミヤとムーコとの3人旅となった。 昼頃起きると、なぜか顔がかゆい。しばらくすれば治るかも知れないが、妙にかゆいし、今日は日曜日で薬局も開いてないし、夜にはイタリアに出発してしまうし、それにもしかしたら何か重い病気かも?!という疑惑も走ったので、契約している保険会社の支店に電話をし、医者の往診を頼んだ。 お医者様は僕の顔を見てニッコリ微笑んだ。 「怖いの?」と、お医者様。 「ええ、まあ・・・」 「ふふん・・・ただのカミソリ負け」 「えっ・・・」 「せっかく往診したのだから、一応」と言って血圧を計り、聴診器を充てた。 「しばらく髭を剃らないように。それから、引っ掻かないこと。では、さようなら」 重い病気どころか、ただのカミソリ負けで往診をしたことなど、きっと後にも先にもないだろう・・・。 顔はかゆいけど、原因が分かってホッとしたところで、さあ!イタリア!! ※イタリア旅行記は、エッセイ「1999、夏、イタリア珍道中シリーズ」をお読み下さい。 Vol. 1 「変な女」 Vol. 2 「玉ねぎ」 Vol. 3 「麻薬」 Vol. 4 「欲望」 Vol. 5 「偽物」 Vol. 6 「真っ青」 Vol. 7 「タコ」 Vol. 8 「愛」l 第81話につづく |