2005年6月28日(火) Vol. 2
 

ちょうどこの時期に咲く、サイパンの桜と言われている“火炎樹”


<中国人のおじさま>
歩いたのはいつもホテルからガラパン(中心街)まで行く道中の一部だ。バスの窓から見ていた風景は、歩いたからといって印象が変わるわけではないが、じっくり見ることが出来る。その通りは中国人が多いようだ。一体どうやって生計を立てているんだろう?と思う程、ガランとした店が建ち並んでいる。そして決して清潔とは言えない。途中、道に果物や野菜を並べて売っている人がいた。無愛想に中国語で話し掛けられたが、何と言っているのか分からない。こちらとしても買う気はないが、ちょっとコミュニケーションでも取ろうかと、スイカを指差しながら、「What's this? Watermelon?」と聞いてみた。そんなこと、聞かなくても分かってることだが、これも異文化コミュニケーションだと思ったわけだ。ところが、そのオッサン、英語は話せないようだった。更に、笑みひとつ浮かべず中国語で通す。写真を撮っていいかとジェスチャーで訊いてみるも、ダメだとあっさり交わされる。まったく、商売したいんだかしたくないんだか。

 


<思い出すのは>
延々とただただ歩く道すがら、どことなく警戒しながらも(どの国に行っても、貧しい印象を受ける区域では神経が張り詰めて警戒してしまう)、懐かしい感じがした。この蒸し暑さ、南独特の風景、匂い・・・そうだ、これは高校時代、アメリカのジョージア州中部に住んでいた頃の風景に似ているのだ。あそこも貧しい区域だった。決して覇気があるとは言えない町。結局トラブル発生で、1ヶ月後にはアトランタ郊外に引っ越したので、短い滞在だったが、あの1ヶ月間は強烈な印象を僕に残した。忘れることのない日々を、まさかサイパンで懐かしく思い出すとは思いもしなかった。

 


<スコールとおじさま>
だが、この通り。ガラパンと違って、例のしつこい呼び込みがないから安心する。それに、観光客向けの店はひとつもない。それこそ、現地の人々の生活を垣間見ることが出来たのだ。欲を言えば、道を真っ直ぐ歩くのではなく、横道にも入ってみたかったが、どことなくためらいがあった。歩き始めて30分くらい経った頃、いつものスコール。雨宿りしているところに、若い女性がやってきた。彼女も雨宿りに来たようだ。そこにもう一人、オッサンがやって来た。すかさず若い女性をナンパしていた。



タクシーの車窓から


<観光客の町>
1時間程歩いて、ワールド・リゾート・ホテルに到着。そこから無料バスに乗ってガラパンに向かった。このバスに乗れば、必ずDFSに寄ることになる。元々ショッピングに興味のない僕は、この観光客しか入れない免税店は正に興ざめの場所だ。涼しくていいのだが。夕飯はシーフードの串焼きとステーキ。食事はハワイより美味しい。だがそれもやはり、観光客向けだからだろうか?

不思議な感覚だ。外国に来ているのに日本人ばかりで、観光客向けのところにしか足を運んでいない。一体ここはどこ?!と問い掛けたくなるような・・・。僕はどこにいるのだろう。明日の午後にはもう帰国するというのに、「もっといたい」という、旅行している時には必ずや思う感情が全然沸いてこない。全然名残惜しくもない。ただダイビングの楽しさだけが強く心に刻まれていた。

 
 
DFS・・・再び 
昼のDFS 夜のDFS


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