ニース/モナコ/エズ


<旅のハイライト>
2013年6月2日(日)

16年前に初めて南仏に滞在した時からずっと、両親に見てもらいたいと思っていたところが、やはりニース、モナコ、エズである。この3ヶ所をこの日1日で一気に巡る。なんと言っても、このコートダジュールを代表するこの3ヶ所を巡るこの日が、この旅のハイライトと言える。

<プロムナード・デ・ザングレ>
「イギリス人の遊歩道」を意味する、この有名な海岸沿い。かつてイギリス人の富豪たちが冬をここで過ごしていたことが由来。
そして中学時代、コートダジュールを舞台にした歌との出会いから始まった僕のニースへの憧れは、確かにこの景色だった。

<旧市街観光〜シャガール美術館>
旧市街を散策 シャガール美術館にある講堂内のステンドグラス
ニースの図書館

旧市街のあたりは、ニースに来るたびによく歩き回った。観光客向けレストランを外して、たまたま入ったイタリア料理レストランが、地元の人たちに大人気で、あまりの美味しさに2日連続で行ったほどだが、今やはっきりと場所を覚えていない。ああ!そういえば、今回はニース名物のソッカを食べていなかった。・・・まぁ悔しがるほど美味しいものではないけれど。けれどそのかわり、たまたま通りかかったチョコレート屋さんをガイドさんが「ここはニースで地元の人たちに一番人気のある店です」と教えてくれて、早速入ったのは正解だった。ルレ・デセール協会員の店「LAC」。母が「東京でも見たことがあるような気がする」と言うので、店の人に確認してみたら、南仏にしかないそうだ。チョコレートのみならずケーキやマカロン、はたまた南仏名物(正確にはエクス・アン・プロヴァンス名物)のカリソンもあった。

<お気に召すままメニュー>
この日の昼食は、何種類ものメニューから好きなものを選べるコースだった。前菜に海の幸タパスを選んだのだが、父の選んだムール貝が正解だったかも!本当は最初、母もムール貝を選んでいたのだが、僕が「海の幸タパスもあるよ。おつまみみたいに色々プレートに乗って来るやつ」と、オススメしたものだから、母はそれに倣ったのだが、母好みではなかった。僕の余計なお世話であった・・・。しっかしどれもこれも量が多い。フランスで量が多い、なんて以前は一度も思ったことなかったのに、最近胃袋が小さくなったんだなぁ。そしてデザートには、ウォッカ入りレモンシャーベットを選んだのだが、アルコール度数50度を超えるウォッカがかなりの量かかっていて、ほろ酔い加減がしばらく続いた。

同じテーブルに座った60代のご夫妻のお話が面白かった。とっても好奇心旺盛で、60を過ぎてからご夫婦で1年半北京に語学留学されたり、娘さんが学生時代に1ヶ月ほどバックパックでヨーロッパを旅したことで、「娘に出来て私に出来ないはずがない!と思って私も娘と一緒にチャレンジした」という話など、話題は尽きなかった。今回のツアーは、話題豊富な方々多くて、僕は次第に皆さまに興味津々、惹かれていくのであった。

海の幸タパス

ムール貝のソテー(父の前菜)

イカのグリル ウォッカ入りレモンシャーベット

<世界で2番目に小さい国・モナコ>
小国モナコ。縦2キロ、横1キロほどの国土に3万6千人の人口。人口密度は世界一。モナコといえばF1グランプリ、そしてカジノ。フランスと地続きだし、言葉も変わらないし、違う国に来た感覚はほとんどないけれど、200台以上の防犯カメラが街中に設置されているゆえの治安の良さや、フランスととは違う清潔な道、そして何より狭い国土に建物が密集した景色が、やはりモナコに来たことを思わせる。

モナコ大聖堂(中も見学した)

モナコ大公宮殿(中の見学はなし)



僕としてはせっかく小さな国なのだから、隅々まで見たいと思うのだが、そこはやはりツアー、ちょちょいのチョイで次へ移動となる。


<バスの車窓から>
モナコからエズへと向かうバスの中から見える風景はこれまた圧巻だった。ああ!住みたい!!

<鷲の巣村・エズ>
ニースから電車ですぐのところにあるエズに、15年前に初めて訪れた時は衝撃だった。電車を降りると右手には美しい紺碧の海。左手には427mの岩山。それしかない。ゲゲッ・・・この岩山を登れと?!その昔、敵の襲撃を防ぐ為に、山の上に村を作ったのである。なるほど・・・としか言いようがない。上を見上げても、村なんぞ本当にあるのかどうか疑わしかった。僕と友人は1時間半以上かけて登り(ロッククライミングしたわけではない。念のため)、やっとの思いで辿り着いたところは嘘みたいな可愛らしい村、そしてその先に待っていたのは「絶景」だった。


しばし絶景に見惚れた後、来た道を下っていたら、陽気な少年とすれ違った。「ここに住んでるの?」と声をかけた。
「ボク?」と、その少年が振り返る。
「そう。君」
「はい、ここに住んでます」
「何歳?」
「8歳半です」
「家はすぐ近くなの?」(別に誘拐しようと思っているわけではない)
「はい、ほら、すぐそこの家ですよ」
「学校は何処にあるの?」
「遠くにあります」
「じゃあ、車で通ってるの?お父さんお母さんに送り迎えしてもらって?」
「はい」
「そうか。ありがとう」
「いいえ。さようなら!」
少年と別れた5秒後、両親が「あの子と写真撮れば良かった」と言うので、後ろを振り返ったが既に見当たらなかった。ああ・・・もっと仲良く話したら家の中も見せて貰えたかも知れないのに・・・と、すこぶる図々しい考えが頭をよぎる。それにしても、こんな、毎日世界各地から観光客が押し寄せてくる小さな村に住む、というのはどんな感覚だろう?僕の故郷の温泉街にも、かつてフィリピン人ダンサーたちがいてよくすれ違ったものだが・・・(今はいなくなった)。



<ニースの夜景>
ホテルの屋上で夜景を見ながら一杯飲む

南フランスの旅 6日目へ

INDEX
1〜2日目 マルセイユ/エクス/アルル
3日目 プロヴァンスの古都めぐり
4日目 コートダジュールの魅力めぐり
5日目 ニース/モナコ/エズ
6日目 カンヌ/モナコ再訪
7〜8日目 ニース〜帰国