ハワイ日記☆4日目
〜掘ったイモいじるな!篇〜

2003.10.28


<アロハタワー・マーケットプレイス>

ついに今日がハワイ観光最終日!!名残惜しい!(と思ったのは僕だけのようでしたが)

“明日の朝食は、洋食のバイキングの方にしよう”と毎日言い合いながら、毎朝日本食レストラン「花鳥」に来るというのは、これいかに・・・。と、書いている僕さえも、それを希望していたのでありますが。確かに、味は美味しかったんです!

そして今日も、ご飯をお替わりし、パンパパンに膨れ上がった腹をベンベン叩きながら、街中のバス乗り場へとてくてく歩きました。ホノルルのバス'The Bus'に乗って、ダウンタウンヘ。昨日、ディナークルーズに乗る際に立ち寄った港のアロハタワー・マーケットプレイスというショッピングセンターに母が興味を示し、ちょうど今日の目的地であるイオラニ宮殿に近かったので、早めに出てきたのです。小さなショッピングセンターでしたが、こじんまりとしていて好感が持てました。プラプラと歩きながら物色し、一休みする為に入った港沿いのレストラン(飲み物しか頼みませんでした)も禁煙で、一同呆れ果て。ここハワイもやはり米国であり、禁煙運動が盛んなんですね。喫煙王国フランスで禁煙のレストランなんぞ作ったら、即、つぶれることでしょう・・・。


<カメハメハ大王との出会い>

イオラニ宮殿の向かい側にあるカメハメハ大王像(これはレプリカで本物はハワイ島にあるとのこと)や、ホノルル初の英国国教会であるカワイアハオ教会を見学。ちょうど、教会で日本人カップルの結婚式が行われていて(しかも2組も予約が入っていて、待機している日本人カップルもいた)、教会の外に出てくるところでした。次の式までまだ時間があるとのこと、中を見学。カメハメハ3世の時代に5年の歳月をかけて作られたそうであるが、「5年の歳月」と言われてもピンと来ない僕。どうしても教会と言うと、ヨーロッパの古い教会やカテドラル(大聖堂)と比較してしまう為、「たったの5年?」と思ってしまう・・・。約1万4千個のサンゴ岩で出来ているそうで、パイプオルガンもありました。中は外の光がほどよい感じで入っており、手直しもされているのか、新しくて清潔な印象を受けました。ステンドグラスがないというのも、そう感じる要因だったのでしょう。

♪カメハメハ カメハメハ カメハメハメハメハ〜


<期待外れ!!イオラニ宮殿>



イオラニ宮殿外観(正面)


そろそろ、イオラニ宮殿の日本語ツアーの時間になり、宮殿へと向かいました。カラカウア王によって1882年に完成した米国唯一の宮殿で、内部見学は予約したツアー参加者のみ。しかも、日本語ツアーは12時半からの1回のみ。ガイドさんはボランティアの日本人女性でした。外観はそこはやはり王様の家、ということもあり立派なのですが、中に入ってガックリ。手直しのし過ぎで、すべてが新しく、床はピカピカ、壁もピカピカで、歴史的な古い建物という印象は全くなし。しかも、この宮殿の家具類など内蔵品は当時の30%しか残っていないという有り様。にもかかわらず、入場料は12ドルとしっかりとっているのです。なんでも新しければいいってもんじゃないぞ!と一同プンプン。舞踏会などが行われたという「赤の間」。「この宮殿ツアーのハイライトとなる赤の間をご覧頂きます!」との言葉に、どれだけきらびやかな間なのかと期待すりゃあ、これがハイライト??と目を疑ってしまうような・・・そんな間でございました。これだったらパリの市役所の方がよっぽどスゴイぞ・・・と比較してはいけないものの、どうしてもやはり、ヨーロッパの建造物、特にヴェルサイユ宮殿と比較してしまう・・・(パリの市役所なんてヴェルサイユ宮殿に負けず劣らずきらびやか)。規模が違うのは勿論だけれども、手直しの仕方や貯蔵品などにもよると思うんですよね。やり方が。ガイドさんのお話はとても興味深く聞いていたのですが、どうしても当時の白人の傲慢主義(ハワイの原住民を無視し、白人に都合のいいように変えて行った政治)が何とも残酷。とは言え、今のこのリゾート地ハワイがあるのも、そこから繋がっているわけで、一体何がいいのかは僕には分からないのですが・・・。

  
            イオラニ宮殿外観(横)                            サンゴで造った建物


そんなわけで、約2時間のイオラニ宮殿ツアーが終わった頃は、全員ぐったり。大して大きくもない宮殿なのに、なぜこんなにも時間がかかったかというと、外の木や花の説明、隣の建物の説明、地下にあるこれまた手直しされまくりの台所やら、ギャラリーを回ったりしたからであります。このツアーに関しては、ホント、期待した割に「何を見に来たんだろ?」と思わざるを得ませんでした。


<そして今日も、リムジンに乗って海水浴へ>

時間は既に2時半になっていて、これから行く憧れのラニカイ・ビーチに急がなくては日が暮れてしまいます。急いでホテルに連絡し、タクシーを手配。待っている間、SUBWAYのサンドイッチを買い、待ち合わせ場所に戻ると、既に例のリムジン・タクシーが待っていました。今日もまた、リムジンで海水浴・・・。なんと優雅。

 

サンドイッチを食べながら外の景色を見ていると、どんどん・ずんどこ見慣れた風景が現れてくる。ん?まさか、これは・・・まさかまさか、ワイキキへ戻ってる??電話では「ラニカイビーチへ行く」と何度も告げたのにぃ!!!騒然とした客席に運転手も気づいたようで、僕はラニカイビーチに行きたい旨を伝えました。すると、「ラニカイってどこ?」・・・。彼もご多分に漏れず、アジア系の運転手なのでした。まだハワイに来たばかりなのでしょうか。すぐに彼は無線で連絡を取り、カイルアの辺りであることが分かったようです。これで一安心。

東海岸であるラニカイに近づくと、ワイキキとは全く違う素朴なハワイの町並みに変わっていきます。交通の便が悪く、観光客があまり来ない、というのもうなずけます。でも、こういう素朴な風景こそが、僕がいつも旅に求める姿なのです。ビーチに着いて、運転手に迎えに来てもらおうとすると、彼は、
「ここで待ってますよ」
と言う。え、2時間も??!!!「待ってます」とのこと。しかしよく考えてみると、片道40分かけてホテルまで戻り、また同じ道を行き来するよりは待っている方がいいのでしょう。
「一緒に泳ぎませんか?」
と誘うと、笑いながら、
「いやいや、僕は怠け者だから、いいですよ。ここで待ってます。楽しんで来て下さい」
と言って、僕の肩を叩きました。


<美!!!天国のビーチ、ラニカイ・ビーチ>

ハワイの言葉で「天国(lani)の海(kai)」を意味するこのビーチ。ハワイで最も美しいビーチに選ばれたそうで、全米のビーチでも常にベスト10にランキングされるほどなのだそうです。にもかかわらず、交通の便が良くなかったり、近くに有名なカイルア・ビーチもある為か、ラニカイの方は旅行者はほとんどいない穴場なんだそう。ガイドブックに載りながらも「穴場」と紹介される場合はよくある話ですが、これが案外本当だったりするんですね。

 
とにかく美しい。そして人もあまりいない。なんて快適!!


さて、そのラニカイ・ビーチは、海の美しさもさることながら、白い砂が本当に細かくサラサラ!!こんなにも細かい砂は見たことないというほどの細かさで、とても柔らかく歩いていても気持ちがいいのです。海の中で砂を握ると、まるで泥のように僕の腕を流れていきます。砂浜から海の眺めは、都会的なリゾートビーチのワイキキとはまるで違い、本当に素朴でありのままの美しい表情を見せてくれて、心も落ち着きます。正に、「白い砂、青い海」の世界です。人でごった返しているわけでもなく、まるでプライベートビーチのようです。「ああ、ワイキキからも遠いけど、この最終日にここに来られてよかったな」と心から思いました。

 
段々、陽が沈みます・・・夢のような場所。まさに天国。


<「掘ったイモいじるな!」 母、英会話に挑戦!!>


 
ラニカイ・ビーチ反対側(駐車場?)


ビーチでは童心に返り、僕は砂遊びをしていたのですが、ふと海の方に目をやると、母がとあるアメリカ人の赤ちゃん(まだ1歳にも満たないと思います)と戯れていて、その光景を父が写真撮影していました。英語を話せないはずの母はどうやって写真撮影をお願いしたんだろうか、とふと疑問に思いましたが、楽しそうにしていました。2時間程海で遊び、運転手の待つところへ帰ろうとした時、母にその時の状況を聞いてみました。なんとかジェスチャーを交えて写真撮影は承諾してもらったようですが、「かわいい」ということを伝えたいのに、英語で何と言うのかすっかり忘れ、とても悔しかったと言うのです。では!ここで英語の実践!!ということで、NHKの「英語でしゃべらナイト」で習った英語を実践させることに。

母が覚えていたのは、バスに乗っていて降りる時に言う「揚げ豆腐(I get off 降ります)」と、空港の税関で入国目的を聞かれた際に言う「斉藤寝具(Sightseeing 観光)」、そして「家内ヘープー(Can I help you? いらっしゃいませ・お手伝いしましょうか?)」でした。僕が高校の時にテレビで見て覚えていたのは、「掘ったイモいじるな(What time is it now? 今何時ですか?)」という表現。無理に日本語アクセントで発音するよりも、このように日本語にくずした言い方の方が通じるという実験もされており、これを是非、僕も本当に通じるのかどうか確かめてみたかったのです。

この状況で使える表現は、「今何時?」と問う「掘ったイモいじるな」のみなので、母にこの表現を言ってもらうことにしました。歩いていて、ちょうど帰る支度をしていた20代の女性にまずは「Excuse me.」と声をかけさせて、母は堂々と言いました。

「掘ったイモいじるな」

一瞬、その女性は「ん?」という顔をしていて、もう一度母が、

「掘ったイモいじるな」

と言うと、すぐに「ああ!」と分かった表情をし、「今、6時頃です」と答えてくれたのです!!!本当に通じた!!!皆さん、日本語で「掘ったイモいじるな」と言うと、時間を教えてくれるのですよ!僕は大変感動しましたね。

これに味をしめて、母も外国語コミュニケーションに目覚めてくれると嬉しいんですけどね。タクシーの運転手に対して「Thank you for waiting.」と言わせたり、「外国語が通じる!」という感触を味わって、ある意味、味をしめてるはずなんですが・・・いかに。

穏やかで、素朴で、そして優雅なビーチでのひとときを過ごし、僕たちはまたワイキキにあるホテルに戻りました。これでリムジン・タクシーも乗り納めです。と同時に、ハワイでの観光もすべて終了。


<ハワイ滞在最後の夕食は・・・>

夕食は、なんと、またもや日本食レストラン「花鳥」!!!どうやら、どこのレストランよりも、ここの料理が気に入った4人だったようです。まさか海外で、これほど毎日日本食を食べるだなんて考えもしなかったし、もちろん初めての経験です。この「花鳥」のシェフは京都のご出身だそうで、料理も京懐石風なものが多いです。45ドルの懐石コースを注文したのですが、海外でたったの45ドルにも関わらず、本格的な美味しい日本料理。これがパリだったら絶対1万円以上するでしょうね。店内は混んでいて、アメリカ人のお客さんも沢山見かけました。噂を聞きつけて、地元の人や、他のホテルに泊まっている観光客もやって来るそうです。なるほど、納得の出来る味と料金です。

・・・ただ、チップが高い・・・。(これに関しては、ハワイ滞在中、ブーブー言いました)


<掘り出し物発見!>

結構時間をかけて食事をした後、10時くらいに再度街へと繰り出し、買い物へ。ロイヤル・ショッピング・センターに寄ったところ、母が集めているような食器のミニチュアが売っている中国家具の店があり、行ってみることに。もう10時を過ぎていたので、ほとんどの店が既に閉まっていたのですが、中国人はとにかく夜遅くまで働く!というイメージがあり(実際フランスでも、他の店が閉まっている時や、休みの時にでも、中国人の経営する店はよく開いていた)、行ってみたところ、やはり開いてました!店の中に入り、興奮している母を筆頭に、僕たちも色々と眺めていたら、優しい顔をした50代と見える中国人男性の店員が、
「明かりをつけますね」
と言い、とても親切に商品の説明をしてくれました。ハワイ在住が長いのか、中国人特有の迫ってくるようなアクセントは全くなく、柔らかいアクセントの英語でした。この店員さん、本当の商売上手なのか、まったく押し売りをしてきません。よく、あれもこれもと商品を出してきて、聞いてもいないのに商品の説明をし、「これはいいですよ〜」と宣伝されると、逆に「買うもんか!」と店を出てしまいますけど、この店は全くそんなことはなく、かといって知らん振りをするわけでもなく、客と店員の距離が絶妙に保たれている感じでした。この方の人柄にもよるのでしょうか、店内の高級家具のいくつもが「売約済み」の札が貼られていました。母は食器のミニチュアを幾つか買い(とても気に入った棚があったようですが、持って帰れないので断念。郵送もしてくれるとのことでしたが)、伯母は小物入れを買おうとして、僕に「値切ってみてくれない?」と言うので、「え〜!出来るのかなぁ!」と思いつつ、思い切って切り出してみると、25ドルを22ドルにまけてくれたのでした!あっぱれ!!

気分良く買い物をした後、閉店間際のDFS(免税店)にダッシュで駆け込み、足りないお土産を急ぎ足で買い、これにてハワイでの用事はすべて終了。


<最後の夜は不安な夜>

ホテルに戻り、なんだかんだしていたらもう1時。明日は5時で荷物を出さねばならず、ホテルからの出発は6時半。4時半には起きなくてはなりません。・・・ああ、名残惜しい「ハワイ最後の夜」というよりは、「起きられるか」という不安の方が大きい、ハワイ最後の夜なのでした。


快適な部屋でした。


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